女流王座戦(2) 一次予選メモ

一番感心したのは長谷川優貴女流二段。一局目のゴキゲン中飛車に続き、二局目の相振り飛車も角道を止める向かい飛車+矢倉で、四間飛車に転換して金無双の欠点を突く形を取って勝利。もちろんマイナビオープンで披露した大野流やレグスペが無意味ということではないけど、最終的には基本の積み重ねが強い将棋を生み出すという、その好例だったと思う。丁寧な将棋を指していればまたタイトル戦に行けると思うので、またタイトル戦での将棋を見たい。

いっぽうで気になったのは、ゴキゲン中飛車に対して何の対策も取らずに一目散に居飛車穴熊に組んで▽54銀の理想型に組ませ、案の定右銀が捌けないまま居飛車負け、というような将棋があったこと。そもそも超速▲37銀自体が相手に理想型に組ませないための対策だし(銀対抗は有力とされてはいるけど、▽44銀型はゴキゲン本来の理想型ではない)、超速から穴熊に組む方法もある。超速の将棋に飽きてるなら丸山ワクチンをはじめとして色々な対策があるし、相手の出方を見て将棋の指し方を工夫しなければいけないのは基本だと思うんだけど… まだ老け込むような年齢でもない若手がそういう将棋を指してたのはちょっと残念だった。