マイナビ女子オープン(6) チャレンジマッチ

現時点で公開された棋譜を見る限り、前回の女流王座戦予選と同様、全体的に相振り飛車が多かった印象。ほかならぬ私自身が振り飛車党だったりするし、アマチュア女流棋士は比較的振り飛車党が多いから仕方ないという見方もあるんだろうけど、こうも多いとね… と思ってしまう部分は正直なところ少しある。
そんななか、決勝にて迎琉歌アマは小野ゆかりアマの四間飛車居飛車穴熊で対抗。固さを武器に豪快に攻め切って勝利。中倉彰子女流初段は北村桂香アマのゴキゲン中飛車を▲58金型で牽制(▽55歩と突っ張ると超急戦の将棋になる)、その後将棋としては紆余曲折あるけど、あそこで▽55歩が指せないこと自体そもそも気合い負けという気がした。中倉女流初段の勝ち。
中村桃子女流1級は植村真理女流三段と。中村女流の四間飛車から相美濃形に。定跡書に出て来そうな手順で振り飛車が捌ききって勝利。船戸陽子女流二段対渡部愛アマのLSPA対決は渡部アマの四間飛車に対して船戸女流が三浦流右四間飛車穴熊(▲17桂型)を採用。正直捌けたという印象では無かったけれど、最終的には穴熊の堅陣が勝ったか、船戸女流の勝利。
女流王座戦の熱戦で注目されたカロリーナ・ステチェンスカアマは1回戦で飯野愛アマと対戦。相石田から金無双の銀を17→26と押し上げ、15歩から逆に攻めるという独自の構想を見せたが、これはさすがに無理筋。玉形を薄くして攻めても効果が薄く、▽37歩成からの反撃を食らってあえなく敗北。敗者復活戦では1勝を挙げたものの藤井奈々アマに敗北し、チャレンジマッチ通過とはならなかった。中終盤に良いものを持っている分、なおのこと序盤(いわゆる定跡)が課題になっているような気がする。